名護市辺野古沿岸部の海底調査停止指示について、記者会見する沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事(中央)=2015年3月23日午後、沖縄県那覇市・沖縄県庁(共同)【拡大】
翁長氏がかじを切ったのは先週だ。
名護市で21日に開かれた反対派集会。翁長氏の代理で参加した安慶田(あげだ)光男副知事(66)は「知事が近いうちに必ず最大の決断をする」と明かした。抗議活動を続ける反対派に、なかなか行動に移さない翁長氏への不満がくすぶっているだけに、最初にアピールしたかったようだ。
これに先立つ19日には県の関係部長会合を開催。弁護士が招かれ、防衛省のコンクリート製ブロック投下には岩礁破砕許可が必要だとの意見を述べたという。県幹部は「(翁長氏は)許可取り消しに向け、各部長に共通認識を持たせたかったのだろう」と振り返る。
共通認識を持たせる会合が必要だったのは、岩礁破砕許可の取り消しを「無理筋」と指摘する県幹部が少なくないからだ。許可に際しての事前調整で、防衛省はブロックの資料を提示したが、県水産課副参事(課長級)が許可申請書から削除させ、協議も不要と回答していた。内実を知る県幹部は「訴訟では明らかに県に不利な材料だ」とみる。