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【逍遥の児】黄泉の国とこの世の境界に立った (1/2ページ)

2015.3.24 11:05

 恐ろしい話。古事記に記されている。男神、イザナキと女神、イザナミは国土を創造した。ところが、女神は死んでしまう。イザナキは妻に会いたくて黄泉(よみ)の国を訪れる。死者の地。見てはならぬものを見てしまう。黄泉の国の者たちに追いかけられ、逃げ帰った。あの世とこの世の境界を巨岩で封鎖した。その地を黄泉比良坂(よもつひらさか)という。

 島根県松江市東出雲町に今も「実在」する。出雲への旅に同行した娘が「見たい」と言い出した。兄(出雲市在住)の運転する車で現地へ向かう。森。坂道を歩いていく。しめ縄の先。確かに巨岩が並んでいた。さらに森の奥。細い古道が伸びている。この道をイザナキが駆け下りてきたのか。登っていく。だれもいない。薄暗い。曲がり角までたどりついた。体調に少し、異変を感じた。兄が警告する。

 「あまり先まで行ってはいけない」。うむ。引き返した方がよさそうだ。

 車の中で兄がいった。

 「実は、もうひとつ、黄泉の国への入り口がある」

 娘が「行こう」という。車で猪目(いのめ)洞窟に向かった。出雲市猪目町。島根半島の西北部に位置する。日本海の波が打ち寄せる。海岸に沿って走る。集落に到着した。寂れている。つげ義春の漫画に登場しそうな雰囲気だ。50年配の男性に会った。

出雲国風土記 宇賀郷の北海に磯。西側に洞窟

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