4月2日午後、内閣府で山口俊一(しゅんいち)沖縄北方担当相との会談を終え、記者団の質問に答える沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事。昨年12月の知事就任後、翁長氏の上京は8回目で、山口氏との会談は3回目だ=2015年、東京都千代田区(酒巻俊介撮影)【拡大】
菅義偉(すが・よしひで)官房長官(66)は2日の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設に反対している沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事(64)との初会談を5日午前に行う方向で調整していると明らかにした。会談は菅氏が極秘に数週間前から調整に入り、両氏ともシグナルを送り合っていた。舞台裏を検証した。
岩礁破砕対決一区切り
その発言は唐突だった。
「いろいろ国とも話し合いをさせていただきたい」。翁長氏は先月30日の記者会見の終わり際、そう述べた。会見は、辺野古沖での防衛省の作業停止を求めた指示が、林芳正(はやし・よしまさ)農林水産相(54)に無効とされたことを受けたもの。しかも埋め立ての前提となる岩礁破砕許可の取り消しに「腹は決まっているのか」と問われた際に国との話し合いに言及したのだ。
翌31日、翁長氏の4月2日の上京予定が伝わると菅氏は周囲に漏らした。「東京に来るときに『会いましょう』とは言わない」。会談するときは自分が沖縄に出向くという意思だった。