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【パリの中庭】過去、今そして未来 丸若裕俊 (3/5ページ)

2015.4.3 15:50

1600年代に多く見られる製法しのぎと、先端の技術が融合した「しのぎ」シリーズ=2014年8月28日(提供写真)

1600年代に多く見られる製法しのぎと、先端の技術が融合した「しのぎ」シリーズ=2014年8月28日(提供写真)【拡大】

  • 泉山陶石を使用した「NAKANIWA」別注品=2015年1月23日(提供写真)
  • 「丸若屋」代表、丸若裕俊(まるわか・ひろとし)さん(本人提供)

 「しのぎ」をけずる

 今回ご紹介する品物は「しのぎ」と銘が打たれた有田焼の器だ。手がけるのが李荘窯である。代表の寺内信二氏は大変にユニークな存在だ。性格は明るく、行動力に優れ、古陶磁に対する造詣も深い。事実、李荘窯が手がける品物は、丼から茶道具まで膨大な種類に及ぶ。そうした名品から生活用品までが居並ぶ垂涎(すいぜん)の品ぞろえの中から、私はとりわけ「しのぎ」に強くひかれた。理由は、ものに込められたメッセージの奥深さにある。そもそも“しのぎ”とは有田焼初期の品である古伊万里にも見られる様式だ。生地の表面を等間隔に削りとることで生まれる柄模様から名付けられている。

 その柄と器のサイズ感を現代の生活感に合わせ、寺内氏が生み出したのが“現代版しのぎ”である。均整がとられた削りは、見るものを自然とひきつける。なにより製造方法が面白い。原型製作時に現代の技術である切削機「3Dモデリングマシーン」を使用しているのだ。つまり、1600年代の製法から発想し、先端の技術を使用することでモダンさと繊細さを手にいれたのである。まさに「伝統」を今に体現した逸品だと言えよう。

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