ブルースといえば、米国南部を代表する音楽だ。ブラックミュージックが好きだったら、渋い声を持つボーカリストや老練のギタリストが何人か頭に思い浮かぶことだろう。20世紀初頭に生まれたブルースは、その後のロックやソウルに大きな影響を与えた。一時期は忘れ去られた古くさい音楽というイメージだったが、21世紀に入ってからは急速に広がりを見せ、世界各地で新しいブルースが誕生している。ここでは、米国から遠く離れた地で生まれ変わったブルースを紹介しよう。
アフリカ伝統音楽メロディーも
西アフリカのマリは、世界でも有数の音楽大国のひとつ。ティナリウェンというグループを筆頭に「砂漠のブルース」なんて呼ばれる独特の音楽が存在することで知られている。現在もっとも注目されているのが、ソンゴイ・ブルースという4人組バンド。ソンゴイ族という少数民族のミュージシャンが集まり、3年前の政情不安の時期に結成され、バーや結婚式などのイベントで稼いでいたそうだ。