【メディアトリガーplus(試聴無料)】映画「パレードへようこそ」(マチュー・ウオーチャス監督)。公開中(レム提供)。(C)PATHE_PRODUCTIONS_LIMITED.BRITISH_BROADCASTING_CORPORATION_AND_THE_BRITISH_FILM_INSTITUTE_2014.ALL_RIGHTS_RESERVED.【拡大】
個性が際立つキャラクターたちが発する、繊細でウイットに富んだせりふが痛快だ。揺るぎない信念を持って行動しメンバーを引っ張っていく、若い主人公マークのおおらかさに感心する。両親にゲイであることを隠しながら恐る恐るゲイパレードに飛び込んだものの歩道に身を潜め、「気味が悪いわね」と差別的な言葉を吐く通行人に相づちを打ってしまうジョー(ジョージ・マッケイ)の脆(もろ)さがリアルだ。
実在の人々を取材、役作り
心に垣根のない炭坑労働組合の責任者ダイ(パディ・コンシダイン)とともに“見慣れない人たち”を歓迎する組合の年配女性ヘフィーナ(イメルダ・スタウントン)と、最後に自分が「隠れゲイ」であったと告白する紳士的な年配組合員クリフ(ビル・ナイ)など、すべての脇役までをも人間味豊かに書き込まれたシナリオが見事な群像劇を織り成している。俳優たちは、自分が演じる役のモデルになった存命中の人々に直接会い、話を聞き、役作りに没頭したという。撮影は実話の舞台になった街で、住民たちに見守られながら行われた。30年の時を経て魂の交流の物語を蘇(よみがえ)らせた勇気と情熱がスクリーンからあふれてくるようだ。