米州首脳会議の議場で握手を交わすバラク・オバマ米大統領(左)とラウル・カストロ国家評議会議長(右から2人目)。国連の潘基文事務総長(右)が見守っていた=2015年4月10日、パナマ・首都パナマ市(ロイター)【拡大】
米キューバ間交渉は、会議に参加した首脳からも歓迎された。南米コロンビアのファン・マヌエル・サントス大統領(63)は「(中南米諸国に支障となっていた)“まめ”が治癒されることになる」と強調。会議議長を務めたパナマのファン・カルロス・バレラ大統領(51)も「(米国の)対キューバ政策は私たちにとっても重みがある」とたたえた。(パナマ市 黒沢潤/SANKEI EXPRESS)
≪オバマ氏 反米感情を緩和、露中に楔≫
オバマ米大統領にとって、今回の米州首脳会議出席とキューバのカストロ国家評議会議長との直接協議に臨む主眼は、米国の「裏庭」である中南米地域との関係を強化することで、根強い反米感情を緩和し、地域を「侵食」するロシアと中国を牽制(けんせい)して楔(くさび)を打ち込むことにある。
オバマ氏はパナマに先立ち訪問したジャマイカで9日、市民対話集会で南シナ海の領有権問題を持ち出し、「フィリピンやベトナムが中国ほど大きくないからといって、黙って小突かれていいわけがない」と中国を批判。返す刀で、中国の中南米に対する支援強化に「どのような条件が付いているのか、注視した方がいい」とくぎを刺した。