米州首脳会議の議場で握手を交わすバラク・オバマ米大統領(左)とラウル・カストロ国家評議会議長(右から2人目)。国連の潘基文事務総長(右)が見守っていた=2015年4月10日、パナマ・首都パナマ市(ロイター)【拡大】
10日にはパナマのバレラ大統領との会談で、エネルギー問題など地域と米国は多くの共通の課題を抱えており、「米国は地域諸国と連帯している」とアピールした。
中南米地域では1990年代末以降、反米を掲げる左派系の政権が次々と誕生し、それに乗じるように中国が浸透してきた。米国への敵対姿勢を強めるロシアもこのところ活発な動きを見せ、キューバやニカラグア、ベネズエラなど8カ国に軍事拠点を置くべく、各国と交渉しているとみられている。
そこへ、米国が影響力の回復を図ろうとする構図だ。ベネズエラの経済危機を主要因に、代表的な反米4カ国であるキューバ、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグアのうち、キューバとボリビアが米国との距離を縮め始めている。
オバマ大統領にとり、カストロ議長との会談も、「雪解け」を中南米諸国首脳の前で演出し、米国の求心力を高めるという効果がある。(ワシントン 青木伸行/SANKEI EXPRESS)