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将棋電王戦 プロ棋士が初の団体勝利 最終局 制した人類の執念 (1/4ページ)

2015.4.12 06:00

コンピューターソフト「AWAKE(アウェイク)」に21手で勝利した阿久津主税(ちから)八段。弱点を見抜き、執念の「はめ手」で最強ソフトを下した=2015年4月11日、東京都渋谷区千駄ケ谷の将棋会館(共同)

コンピューターソフト「AWAKE(アウェイク)」に21手で勝利した阿久津主税(ちから)八段。弱点を見抜き、執念の「はめ手」で最強ソフトを下した=2015年4月11日、東京都渋谷区千駄ケ谷の将棋会館(共同)【拡大】

 将棋のプロ棋士とコンピューターソフトによる5対5の団体戦「電王戦」の第5局は11日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われ、先手の阿久津主税(あくつ・ちから)八段(32)が21手でソフトの「AWAKE(アウェイク)」を破り、プロ棋士が対戦成績3勝2敗で初めて勝った。団体戦形式で実施されるのは3回目の今回が最後で、けじめの闘いは人類がコンピューターに勝利した形となった。勝因は、コンピューターの癖と盲点を徹底的に研究した棋士側が、あえて手筋にない“悪手”を指してコンピューターの変調を誘うという、なりふり構わぬ執念のゲリラ戦術だった。

 「隙」作りソフト弱点突く

 それは突然の投了だった。序盤で阿久津八段は自分の飛車を4筋に振り、角を交換する「角交換四間(しけん)飛車」と呼ばれる戦法を取った。そこからあえて自陣の2八の位置に隙を作って相手に角を打たせた。プロ棋士同士の対局ではあり得ない指し手だが、これは事前の研究で、ソフトに「角」を打たせる展開に誘導すると、その後に「馬」となった角を簡単に捕獲できる展開になりやすいという弱点を発見していたからこその鬼手(きしゅ)だった。ソフトの対アマ戦でも有効性が確認されていた。

プロ棋士養成機関の「奨励会」に在籍したこともある巨瀬亮一さん

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