札幌の繁華街、ススキノを彩るニッカウヰスキーの電飾看板です。3月28日に最終回を迎えたNHKの連続テレビ小説「マッサン」は、地元北海道を大いに盛り上げてくれました=2015年2月5日、北海道札幌市(乾ルカさん撮影)【拡大】
【本の話をしよう】
私が若いころに勤めていた某職場は、なんといいますかおおらかというか緩いところで、事務員5人の事務室では、勤務時間中でもテレビをつけていることが、さほど珍しくありませんでした。もちろん、にぎやかで娯楽的な内容の番組はさすがに避けられていましたが。
よく流れていたのが、春夏の高校野球、相撲。そして将棋や囲碁のタイトル戦中継。タイトル戦は本当によく見ました。職場には、定年退職後の再雇用で事務員になった男性が二人おり、彼らがチャンネル権を握っていました。
当時はNHK BS放送が始まったばかりで、他のチャンネルはもちろん、NHK BS自体も番組はあまり充実していませんでした。なので、タイトル戦中継は、今とは違って番組の尺も長く、変化のない盤面、長考する棋士の姿が延々と映し出されていました。
そのころの私は囲碁将棋にまったく興味がなく、当然囲碁のルールも将棋の駒の動きも、一つも知りませんでした。ですので、最初は正直「つまらないものを入れているなあ」と思っていました。