【本の話をしよう】
小、中学生のころの私にとって、本を読むのはどういうことだったかというと、ものすごく乱暴に表現してしまうならば『現実逃避』だったと思います。
小学校の入学式のとき、式場となった体育館の天井を仰いで「これからここに6年も通うのか」と絶望したことを、よく覚えています。友達100人できるかな、などという明るく楽天的な考えはちらとも頭をよぎりませんでした。6年という重さに押しつぶされていたのです。
なぜなら入学式当時、早生まれの私は6歳になったばかり。自分でも記憶にない赤ちゃんの時分から今に至るまでの年月とほぼ同じだけ、これからここで過ごすのだと思ったら、先が見えなさすぎて、入学おめでとうと校長先生に言われたところでなにがそんなにめでたいのかもさっぱりわからず、ひたすら暗い気分でいました。
なにより嫌だったのが給食でした。体育や音楽が嫌なら、授業のある曜日だけ憂鬱になればいいのですが、給食タイムは月曜から金曜まで律義に決められた時間にやってきます。