【本の話をしよう】
私は読み狂人。朝から晩まで読んで読んで読みまくった挙げ句、読みに狂いて黄泉の兇刃に倒れたる者。そんな読み狂人、詩を読んで気色がよいなあ、と思うことがあまりない。ときどきはあるのだけれども、ほとんどない。
なぜかというと一編の詩には必ずなにかが籠められているからである。もちろん、なにかが籠められているのがよくないわけではないのだが、その籠まっているなにか、が、なにかなのでよくわからないのだけれども、その方向性というか、全体の色合いというか声調というか、そういうものが読んでいると重苦しくのしかかってきて苦しいのである。
だから籠まっていてもよいのだけれども、もう少し違う方向性のものが籠まっているならば詩という形自体はよいものなのでよいのではないかなあ、と思うのだけれども、実際にやってみるとなかなかそうもいかぬのだろうなあ、とも思う。