【本の話をしよう】
私は読み狂人。朝から晩まで読んで読んで読みまくった揚げ句の果ての果てに、読みに狂いて黄泉の兇刃に倒れたる者。そんな読み狂人の私は常人が怖い。
なぜなら常人は狂人を絶対に許さず、いつも常人にシバキ倒されるからである。
と言うと、読み狂人は完全にアウトサイダーであるが、そうでもないかもしれないと思うのは読み狂人は狂人ではあるが、それはあくまでも読みについての狂人であり、その他の部分においては常人であるからである。
世の根本に狂い
多くの人間が、これは許しがたい、と思うような非道には憤りを覚えるし、ルールを守らない人を見ると、狂人ながら、ルール守らんかいっ、と思い、そのことになんらの疑問も抱かなかった。ということは、普通の市民ということで、そういう意味で読み狂人は、日常常人ということになる。つまり、日常を日常常人として生き、本を読むときだけ読み狂人となっていたのである。
なんてことを読み狂人が初めて考えたのは、臼井隆一郎の『「苦海浄土」論 同態復讐法の彼方』を読んだからである。