【本の話をしよう】
小学校5、6年生のときの担任は、穏やかでとても優しい男の先生でした。小学生の目からは、かなりなオジサンに見えましたが、今振り返ると、現在の私と同じくらいの年だったかもしれません。
その担任T先生は、年度替わりの前に生徒一人一人に小さな賞状をくれました。勉強ができる、運動ができるなどわかりやすい優秀は、一握りの限られた子のものです。でもT先生は「この子はこういうところが他の子に勝る」という美点をクラス全員の子にそれぞれ見つけ、賞状にして認めてくれました。
掃除をきれいにやる。
元気がいい。
忘れ物をしない。
生き物の世話が上手。
私が子供だったころ、一クラスの生徒数は今と比べ物にならないほど多く、40人近くいたので、先生は大変だったと思います。
私がもらった賞は『笛』でした。