「私は高校卒業後、18歳で働き始め、市長に就任する前の10年余りは民間企業の経営に携わっていました。市長になってまず驚いたのは、その業務の奥深さ、幅広さ、そして分刻みのスケジュールです。自治体の仕事は、ごみの収集や保育所の整備といった福祉や教育など、市民の皆様一人一人の生活に密着したきめ細かな事業から、世界の潮流をいち早く捉え、都市の成長戦略を描き実行していくといったダイナミックなものまで、多岐にわたっています。そのトップとして、繊細かつ大胆な判断と都市経営のセンスが求められ、大きなやりがいと醍醐味(だいごみ)を感じています。さらに市長になって実感したことは、職員のやる気を引き出し、チームとして最大の成果を挙げていくというマネジメントの基本は、民間も行政も違いがないということです。すべての基本は『人』であり、トップと職員の間に信頼と共感がなければ組織は成り立ちません」