アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立式典に出席した各国代表と握手する中国の習近平国家主席(右端)。右奥は楼継偉財政相=2014年10月、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(共同)【拡大】
Q 日本は参加しないのですか
A 日本政府は、組織運営が不透明であることなどを理由に参加に慎重な姿勢を崩していません。環境破壊につながる事業に融資する心配もあります。ADBを主導する日本や米国には、AIIBが設立されることで自らの影響力が低下するといった懸念もあります。
Q 国内に参加を求める意見はありますか
A 経団連は、政府内の議論を見守る姿勢を示しながらも、AIIBに参加しないことで企業のインフラ輸出に悪影響が出ないような配慮が必要だと訴えています。企業などから参加を求める声が強まれば、政府内の議論にも影響を与えそうです。
≪日本、動向見極め「慎重に検討」≫
AIIBへの参加表明を見送った日本は、創設メンバー国が設立協定の合意を目指す6月末を再判断のタイミングと見据え、関係国の動向も見極めながら慎重に検討していく考えだ。ただ、英国を参加に引き寄せた中国のしたたかな戦略に後手に回ったのは否めず、今後も難しい対応を迫られそうだ。