アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立式典に出席した各国代表と握手する中国の習近平国家主席(右端)。右奥は楼継偉財政相=2014年10月、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(共同)【拡大】
政府はAIIBに関し、統治(ガバナンス)の確立や融資基準などが不透明なため「慎重な検討が必要」(首相)との立場を崩していない。一方で、英国に加えドイツやフランスなどの参加表明が相次いだことは「想定外」(政府筋)で、首相は事前に情報を入手できなかった官僚に対し「不信感を抱いている」(周辺)という。
インフラ輸出を成長戦略の柱に掲げる政府にとり、AIIB設立により中国が成長著しいアジアの新興国などでのインフラ整備で主導権を握れば、日本企業への影響も与えかねない。
首相は引き続き中国側に説明責任や国際金融ルールの順守を果たすよう求めると同時に、ADBとの協調融資も模索する。6月上旬に北京で開催予定の日中財政当局による対話でも「真意をただす」(財務省筋)方針だ。(SANKEI EXPRESS)