ディア洞窟の内部から見える巨大な岩のシルエット。エイブラハム・リンカーン米大統領の横顔に見えると有名。ここからコウモリの大群が飛び立って行く=2014年12月19日、マレーシア・サラワク州(ボルネオ島、杉山みどり撮影)【拡大】
ここでは、夕刻になると空へいっせいに舞い上がるコウモリの大飛行が見られるという。天候によっては見られないことも…。お出ましを待ちわびていると、「ワーオ!」と歓声が上がった。200万匹の大群が餌を求めて洞窟から飛び立ち、帯状に移動していく。その様子は天空を舞う竜にたとえられ、「ドラゴンダンス」と呼ばれている。壮大なショーを見ることができた幸運に感謝した。
スリル満点の「空中散歩」
翌日は、公園本部からボートで移動。探検家になったようでワクワクする。強風が吹き抜けるウインド洞窟では、荒々しい自然の造形美に圧倒させられた。約200段の階段を上がって、全長107キロに及ぶ東南アジア最長のクリアウオーター洞窟へ。真っ暗な中、マリア像のような形をした石筍(せきじゅん)がたたずんでいた。
2日間にわたって洞窟を案内してくれたフィリップさん(52)は、1978年にラング洞窟を発見したラングさんの親戚で、ガイド歴30年。「いずれの洞窟も特徴があり、それぞれの良さがあります」と話す。グヌン・ムル国立公園の6割は未開の地という。熱帯雨林の動植物を観察しながらのトレッキングや全長480メートルのキャノピー(つり橋)ウオークも楽しめる。一歩踏み出すごとに上下左右に揺れる“空中散歩”はスリル満点だ。