4月14日、台北市内の総統府で、日本メディアと会見する馬英九総統。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーから除外されたことは「遺憾」とし、今後も台湾の「尊厳と公平」が保たれる状態での参加を目指すと表明した=2015年、台湾(田中靖人撮影)【拡大】
要求水準下げ参加申請も…
そもそも中国側には当初から、台湾を創設メンバーに迎えるつもりがなかった節がある。台湾当局者が参加の意向を明らかにしたのは3月19日。張盛和財務部長(財務相、65)が立法院(国会に相当)の審議で、「参加を求められれば」と条件付きで表明した。だが、その後も参加要請はなかったようだ。中国は「一つの中国」原則に基づき、台湾を自国領と主張している。自らが主導し「国際機構」と位置付けるAIIBに、他の参加国と同等の地位で台湾を迎えるとみるのは、計算が甘いといわれても仕方ない。だからこそ、台湾側は、参加資格は主権国家ではなく「経済体」として、名称は「中華民国」ではなく「中華台北」で構わないと、要求水準を始めから下げてもいた。
ただ、経済的な利益や国際的な地位向上に加え、「将来の両岸(中台)関係の発展のため」(馬総統)と対中関係を重視して参加申請に踏み切った馬政権にとり、創設メンバー除外は「顔をたたかれる」(自由時報)結果となった。与党、中国国民党寄りの聯合(れんごう)報(4月14日付)ですら「(参加)申請は評価不足で政府の威信を傷つけた」と批判している。