米国の新鋭、デイミアン・チャゼル(30)が長編映画の監督に挑んだのは、オリジナル作品「セッション」で2作目。第87回アカデミー賞では、J・K・シモンズ(60)に助演男優賞をもたらすなど、計3部門を手中に収めたのは記憶に新しい。撮影時、チャゼル監督はまだ28歳だったというから、なおのこと驚かされた。
SANKEI EXPRESSのメール取材に応じたシモンズは若き才能の開花について、「ストーリーテラーとしての能力につきるでしょう。一見、自伝的な内容を含んだ若いジャズミュージシャンの物語ですが、誰が見てもそこに自分自身を見つけたり、自分の人生や内面世界に投影できる。つまり、共感が持てる物語だからこそ、大勢の人々の胸に響いたと思います」と推し量った。
撮影前から猛練習
ジャズドラマーになることを夢見て名門の音楽学校に入学したアンドリュー(マイルズ・テラー)は、「伝説のスパルタ教師」と言われるフレッチャー(シモンズ)の指導を受けることになった。完璧な演奏を求めるフレッチャーは、罵声を浴びせるわ、物を投げるわ…と、その指導ぶりは想像を絶するものだった。うぬぼれ屋のアンドリューは次第に怒りがこみ上げてきて…。