思わず「血を吐くのではないか」と心配するほどドラムの練習に打ち込んでいたという主演テラーに関しては、「ニューヨークで演劇と映像の勉強を積んだ才能ある若者。聡明(そうめい)で、努力家で、やる気がすごい」と高く評価。シモンズがとりわけ気に入ったのは、人の話をじっくりと聞くという能力だった。「役者の中には、共演者の演技から何かを学び取ったり、きちんと話に耳を傾けようとしない者が結構多いんです。でもテラーはそれが自然にできる。非常にこれからが楽しみな役者ですよ」
いろんな役挑戦したい
本作でオスカーという大きな勲章を手にしたシモンズは今後、どんなキャリアを目指すのだろう。「俳優の仕事については、これからもインディーズ系と大作系の双方に、程よいバランスで出演していきたいです。演じる役柄もいろんなものにチャレンジしたいですよ。でも、出演の決め手は、自分が関心を持てるテーマか、刺激的な役か、面白い物語か-という部分です」