宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月面探査機「SLIM」の想像図(JAXA提供)【拡大】
無人探査機による月面着陸は1966年の旧ソ連と米国に続き、中国が2013年に成功。インドも数年以内の実現を目指している。日本は07年に打ち上げた月周回機「かぐや」が大きな成果を挙げ、次のステップとして着陸機が待たれていた。
日本は05年に探査機「はやぶさ」がわずかに重力がある小惑星に着陸したが、重力が地球の数分の1と比較的大きい天体への着陸計画は初めて。将来の火星探査に向け技術を蓄積する狙いもある。
日本の民間チームも来年後半に米国のロケットで月に探査車を送り込む計画だが、月面への到達は米国の着陸機に依存している。
火星への足掛かり
スリムが目指すピンポイント着陸は、宇宙大国の米国やロシアも獲得していない先進技術だ。JAXAが大学などと共同で研究してきたもので、日本が今後、月や火星の探査をリードしていく上で強みになると期待されている。