高浜原発3、4号機の再稼働差し止め仮処分の決定を前に、福井地裁に入る申し立て住民ら=2015年4月14日、福井県(共同)【拡大】
≪規制委の手続きに影響も≫
関西電力高浜原発3、4号機は2月に原子力規制委員会の新規制基準に基づく審査に合格し、現在は設備の詳細な設計を示した「工事計画」の審査が続いている。再稼働に向けた手続きは既にヤマを越えているが、さらに現場での「使用前検査」のほか、事故対応手順などをまとめた「保安規定」の認可が必要だ。
昨年5月に関電大飯原発3、4号機の運転差し止め判決が出た時点では2基の再稼働の見通しは立っていなかったが、今回は審査合格後の決定だけに、規制委も原子炉を起動させずにどこまで手続きを進めるのか、今後の対応に苦慮しそうだ。
規制委事務局の原子力規制庁・米谷仁総務課長は14日の記者会見で「規制委の審査や処分の差し止めを命じていない。基本的に影響はないと考えている」と強調した。一方で規制委内部には「通常は使用前検査の中盤で原子炉起動に向けた検査をする。今後手続きを進められるのはそこまでではないか」との見方もある。(SANKEI EXPRESS)