彼女たちの読書傾向は、僕らの世代がスタンダードだと感じているものとはやはり少し違う。いや、かなり違う。ある時のインタビューでは村上春樹を読んだことのある人が15人中1人。よしもとばななのことを知っている生徒は0人。行く道はなかなか険しい。けれど、その現実をちゃんと受け止めないと、僕らは前に進むことができない。
異質同士の距離縮める
一方で、テレビアニメやゲームにはものすごく詳しい子もおり、インタビューはなかなか盛り上がる。ある生徒は現在TVアニメで放送中の『Fate/Unlimited Blade Works』の魅力を僕に切々と話してくれた。魔術師たちが歴史上の英霊を召喚し、たった1つの聖杯を求め戦うこの伝奇活劇。もともとは2004年に発売されたパソコンゲームの『Fate』シリーズの一つなのだが、その後アニメ化や前日譚のノベライズなど、多メディア展開している人気コンテンツだ。正直いって、僕はほとんど知らなかったのだが、その生徒に言われてしまったのだ。「本屋なのに虚淵玄の小説『Fate/Zero』((※1)講談社、669円)を読んでないのはおかしい!」と。