「ふるさとの被害のことが思い出された。何とかしないといけないと思った」。福島県会津若松市出身の医官、竹島幹雄2佐(47)がネパール大地震の発生を知った際、脳裏をよぎったのは東日本大震災のことだった。震災では福島県郡山市を拠点に、郷土での支援活動に加わった。
2日間の医療活動で「不眠症状の人が多い。これからは精神面のケアが重要になる」と感じた。「不安を訴える人も多いが、笑顔で接して少しでも和らげたい」と精力的に動き回る。
「被災地での経験を生かしたい」と意気込むのは岩手県矢巾町出身の准看護師、細越隆弘3曹(30)。東日本大震災では発生直後からヘリコプターに乗り込み、福島県内で救助活動に携わった。
東日本大震災の際、アジアの貧国ながら日本に毛布5000枚を提供してくれるなどしたネパールの窮状に、支援活動への参加を申し出た。「助けていただいた分以上にお返ししたい」。言葉が通じないのがもどかしいというが、「身ぶり手ぶりで気持ちを伝えたい」と、ひっきりなしに訪れる患者の訴えに耳を傾けた。