「雪崩だ。大きいぞ」
10秒もたたないうちに雪を含んだ強烈な風が、仙波さんを襲った。急いでテントの中に入り、飛ばされないようポールを必死で支えた。
そのまま30秒ほどたっただろうか。風が収まり、音もしなくなった。
外に出ると、周りのテントはめちゃくちゃになぎ倒されていた。比較的下方にあった仙波さんのテントは無事だった。
ベースキャンプには当時、登山者ら数百人がいた。被害が大きかった上方に行き、次々と運ばれてくるけが人に包帯を巻き、救助活動をした。多くの負傷者がヘリコプターで運ばれた。「まるで野戦病院のようだった」
仙波さんは3月に日本を出発、6月に帰国する予定だった。今後ヘリを手配して、できるだけ早く下山する。「安全だと思っていたベースキャンプで雪崩に遭うとは予測できなかった。一歩間違うと、自分も巻き込まれていた」と話した。(SANKEI EXPRESS)