ラウル・カストロ国家評議会議長(右)と会談する岸田文雄外相=2015年5月2日、キューバ・首都ハバナ(外務省提供・共同)【拡大】
≪素早い「キューバ詣で」 関係強化へ≫
キューバを訪れた岸田外相は、フィデル・カストロ国家評議会前議長、弟のラウル・カストロ議長らの歓待を相次ぎ受け、関係強化へ一歩踏み出した。米国との国交正常化交渉開始で各国がキューバ詣でを始めるなか、出遅れを警戒していたが、素早い訪問が奏功した。ただ正常化交渉が滞るリスクや債務問題を抱え、大規模な経済協力の表明は持ち越しとなった。
「日本への期待も高い」
「日本人に深い敬意を抱いている。次はもっと時間を取って話したい」。岸田氏を自宅に迎え入れたフィデル氏は、日本人の勤勉さをたたえた。健康不安説もあったが、帰り際にいすから立ち上がり、岸田氏を見送った。
会談後、岸田氏は記者団に「お会いできたのは、キューバが私の訪問を高く評価してくれたからだ。日本のキューバへの期待が高いと同時に、キューバの日本への期待も高い」と述べ、関係構築に自信をのぞかせた。