国際決済銀行(BIS)の国際銀行融資統計でみると、中国は12年から米国をしのぐ規模で海外から借金をし続けている。14年末の前年比では1422億ドル増で、米国の830億ドル増はもとより、途上国全体の1300億ドル増を上回る。さらに、中国の債券(債務証券)による海外での資金調達額も14年は1656億ドルで、米国の1571億ドルを上回る。中国は世界最大の借り手であり、借金で投資主導型経済モデルを維持しているわけだ(グラフ参照)。
さりとて、中国には借金投資以外に経済を成長させるモデルは見当たらないので、「多国間銀行」という看板を挙げて世界からカネを集めて、インフラ投資を行うというのが、「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」である。もちろんインフラ投資の7割以上は中国国内向けである。