小三治師匠にほめられた
平成4(1992)年2月4日。今から23年前です。でも「小緑」という名で出ています。私が小緑と名乗っていたのは二つ目という身分の時。多分楽屋には前座さんがいなかった様子。「小八」は現在の柳家喜多八師匠。「小正楽」は現在の紙切りの三代目林家正楽師匠。そして昨年人間国宝に認定された小三治師匠と師匠小さんです。いい会ですね! これを見て僕はうれしくなりました。
そして一つの記憶がよみがえります。めったにほめない小三治師匠が「読みやすい字だよ。」と言ってくれたこと。うまいでもきれいでもない。“読みやすい”。僕には最高なほめ言葉でした。小さい時から字の読み書きが苦手で、もちろんきれいにも書けない。字には一つの自信もないんです。だからせめて丁寧に書くことしかできなかった自分に、小三治師匠にそう言ってもらえたことは、どれだけうれしかったことか。
23年前の根多帳と出会えたことがバレンタインデーに最高なプレゼントに感じました。でもケータリングから手にしたチョコ菓子も、その日おいしくいただきました。(落語家 柳家花緑(やなぎや・かろく)(SANKEI EXPRESS)