【BOOKWARE】
長新太はぼくの神さまであります。そう確信したのは1972年に『ヘンテコおじさんの童話風インタビュー』に出会ったときで、さっそく翌年の、「遊」6号「なぞなぞ特別号」に『パンツに頭部を入れたまえ』を描いてもらったのでした。それは、犬頭人化しつつある自分のカラダから心臓やら脳やらお尻を取り出し、そんなことをしたためについつい生じた奇妙な顛末を、あの独得の線によって絵と文を自在につなげたスタイルで幻想するという、大傑作でありました。次の年『キャベツだより』を見て、この人は、うーん、やっぱり絵文神仙(かいぶんしんせん)の生まれ変わりなのだろうと、ぼくは誇りをもって感じたのであります。
あるとき「おしり」と「おなら」がお互いに大好きだということで意気投合しましたね。とはいえ二人で「おなら」を出しあうわけにもいかず、とはいえ何食わぬ顔をして「おしり」を触りあうわけにもいかず、二人は照れました。ぼくもチョーさんもヒト・ゾウ・かたつむり・キャベツ・赤ちゃん、そのほか誰彼かまわず「おしり」を触るのが好きなのに、それが禁じられているので反抗したかったのですね。