「死者の町」に立つ大きなドーム型の霊廟(びょう)。町にはこうしたマムルーク朝時代(1250~1517年)の権力者の墓所が点在する=2015年2月17日、エジプト・首都カイロ(今井竜也さん撮影)【拡大】
他の貧困で苦しむ町とは異なり、墓地があることで、多少の人の出入りがあるためか閉鎖的にならず、訪問者を迎えてくれる「死者の町」。この町には生と死が共存し、素朴で明るく優しい墓守たちは死者の「死」を守り、自身の「生」も守っていると感じた。(写真・文:写真家 今井竜也(たつや)/SANKEI EXPRESS)
■いまい・たつや 1980年大阪市生まれ。市立桜宮高、写真専門学校を卒業後、写真家・蓮井幹生氏のアシスタントを経て、2004年渡英。ロンドン芸術大学に在学しながら写真家として活動。07年から拠点を東京に移し、生と死を作品のテーマに世界各地を回る。13年にニューヨークを中心に撮影したファースト写真集「GHOST BIKE」を出版。