そのうちに「風景としての夜景から、灯りと人との関わり、生活の中にある灯りに興味がわいてきた」と話す。「灯りと生活が身近にあり、そうしたことが表現できるのはアジアだろう」という結論に至り、今回の撮影にこぎつけた。
最初に訪れたときには自転車であふれていたベトナムは、オートバイが自転車に取って代わり、絶え間なく走る光景に驚いたという。「一体こんな時間にどこへ行くのだろう」。ベトナム・ダナンでは夜になっても橋を埋め尽くすように延々と切れ目なく通り過ぎるオートバイを撮影した。さらに以前はちょうちんなどで灯りを演出していたが、ここ数年は廉価になり手に入り易くなったことなどからLEDを利用したイルミネーションが目立ったという。
「アジアのパワーを印象づける写真集にした」と丸田さんは話す。
≪「光の足し算」が熱量生む≫
また、丸々もとおさんは、写真集の冒頭で「欧米の夜は極力余計な灯りを消し、キャンドルひとつで夕食を取るような“光の引き算”の文化で、アジアでは黄色のネオン看板に緑色のネオン看板を重ねて繁華街を形成するような“光の足し算”が成立しているようである」という。