会談前に握手する台湾の与党、中国国民党の朱立倫主席(左)と中国共産党の習近平総書記=2015年5月4日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(共同)【拡大】
さらに、朱氏は「92年合意の基礎の上に台湾の国際発展空間が増すことを望む」と述べた。だが、中台関係と台湾の外交とを関連付けるこの発言は論理矛盾だとの批判がある。中国政府が掲げる「一つの中国」とは、台湾は中国の一部分だという意味であり、その中国が台湾の「国家」としての「国際的な活動」を認めるはずがないためだ。
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実務面でも、朱氏は会談に台湾の「中小企業」「中・低所得者」「中南部」と「青年」を指す「三中一青」の代表を同席させ、こうした人々との交流の重要性を訴えた。前日に上海で行った講演では、「両岸(中台)の平和によるボーナスをより多くの民衆が感じられるようにすべきだ」と述べており、馬政権下では中台の経済交流の利益が大企業に集中しているとの批判に配慮した。ただ、「三中一青」を重視する方針は、習氏が昨年5月に示したもので、受け売りといわれても仕方がない。