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動物園・水族館 交錯する「死活問題」 追い込み漁イルカ 購入継続ならWAZA除名 (2/4ページ)

2015.5.17 08:00

和歌山県東牟婁郡太地町(ひがしむろぐんたいじちょう)で行われたイルカの追い込み漁=2014年9月(熊野新聞社提供)

和歌山県東牟婁郡太地町(ひがしむろぐんたいじちょう)で行われたイルカの追い込み漁=2014年9月(熊野新聞社提供)【拡大】

 WAZAの要求を受け、太地町の漁協は食用と水族館用を分けて捕獲するようにしたほか、イルカに過度な負担をかけないように、より小さな船を使い自然に網に誘導する方法を採用。必要数を確保した後、残りを湾外に逃がす工夫も重ねてきた。JAZA関係者は「改善に取り組んできたのに、根本から駄目と言われても」と困惑する。

 今回の決定の背景には、過激な環境保護団体の圧力があったとの見方がある。反捕鯨団体シー・シェパードの創設者で、日本の調査捕鯨を妨害したとして国際指名手配されているポール・ワトソン容疑者のものとされる交流サイトには「長年の運動が実り、ついにWAZAが厳格な対応を決めた」と書き込まれた。

 繁殖計画にも影響

 動物園側は除名された場合の影響を懸念する。国内の動物園は野生動物の入手が世界的に困難になる中、WAZAを通じて繁殖目的の動物の貸し借りなどで国際的な協力を進めてきた。

 WAZAに単体で加盟している東京の上野動物園など全国7つの動物園・水族館は除名の心配はないが、このうちのある動物園関係者は「長期的に見れば国内の繁殖計画に影響があると考えるのは当然だ」と話す。

新江ノ島水族館「長期的な影響は未知数だが、太地町から調達できなくなってもすぐに困ることはない」

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