和歌山県東牟婁郡太地町(ひがしむろぐんたいじちょう)で行われたイルカの追い込み漁=2014年9月(熊野新聞社提供)【拡大】
水族館側の事情はさまざまだ。大手の新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)では、飼育するバンドウイルカ10頭のうち太地町からの入手は3頭で、7頭は繁殖。太地町との取引は20年近くなく「長期的な影響は未知数だが、太地町から調達できなくなってもすぐに困ることはない」という。
しかし、ある東海地方の小規模水族館では、飼育するバンドウイルカ3頭すべてを太地町から入手。担当者は「ハード面でも大きな投資が必要な繁殖は民間の水族館では難しい。太地町に頼らざるを得ない」と話す。
太地町からのイルカ入手をやめるか否かの回答期限は今月21日。JAZAは会員施設による投票で週明けにも判断を下すが、ある動物園関係者は「動物園と水族館が対立して、組織がバラバラになるのは避けたい」と複雑な胸中を明かした。(SANKEI EXPRESS)