薫風。したたるような新緑。心地よい季節。出雲大社(島根県出雲市)に向かう。
JR出雲市駅で下車。立ち寄ったコンビニで思わぬ本を見つけた。「葬られた王朝・古代出雲の謎を解く」(梅原猛著・新潮文庫)。神話に彩られた出雲ならでは。さっそく買い求めた。
参道に着いた。巨大な一の鳥居は石。二の鳥居は木。三の鳥居は鉄。そして四の鳥居は銅。異なる素材でできた鳥居をくぐる。心を整えていく。
本殿が迫ってきた。現在の本殿は江戸中期に造営された。高さ24メートル。荘厳な造り。圧倒される。60年ぶりの「御遷宮(ごせんぐう)」。広大な屋根の葺(ふ)き替えを終えた。真新しい檜皮(ひわだ)。すがすがしい。参拝する。一般の神社では「2礼・2拍手・1礼」。だが、出雲大社は独特だ。「2礼・4拍手・1礼」。作法に従う。頭を垂れた。
祀(まつ)られているのは大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。「古事記」や「日本書紀」に登場する。青年期。兄神たちの従者として大きな袋をかつぎ、出雲の東、因幡(いなば)に向かった。途中、ワニ(鮫)に襲われた白ウサギを救う。心優しい若者は兄神たちの迫害などさまざまな試練を乗り越えて成長。出雲の国の統治者となる。その後、国を譲り、身を引く。