厚生労働省の「生涯現役社会の実現に向けた雇用・就業環境の整備に関する検討会」が、シルバー人材センターの機能強化策などを柱とする報告書を月内にとりまとめる。少子高齢化が進む中で、働きたい高齢者に就業の機会を増やして、社会を支える側にまわってもらおうというわけだ。年金財源確保の一助にもなるとの狙いだ。
2013年度の内閣府の調査によれば、生涯現役を望む人は多いが、現実に働いている人は男性では65~69歳で約5割、70歳以上で約2割にとどまる。女性では65~69歳で約3割、70歳以上だと1割に満たない。だが、仕事を増やしても即、就業率がアップするわけではない。年齢を重ねるほど、体力的に厳しい人が増える一方で、働く意味を考える高齢者も増えている。言い換えれば、知識や経験が生かせて、働く時間を選べ、さらに生きがいや人とのつながりが感じられるかどうかも働く基準になっている。
公的機関のハローワークやシルバー人材センター、民間の人材仲介業者が難しさを感じているのもそこのところで、いかにして仕事と高齢者をマッチングさせるかに苦心している。