川崎市川崎区で簡易宿泊所(簡宿)「吉田屋」(木造3階建て)など2棟が全焼した火災で、火元となった吉田屋の2、3階部分が吹き抜け構造となっていたことなどから、煙突のような空気の流れが生じて短時間で火が燃え広がった可能性が高いことが19日、神奈川県警や市消防局などへの取材で分かった。川崎市が始めた市内の同種施設への特別立ち入り検査では、この日調べた16施設の約半数が吹き抜けの3階構造だった。はしごのような急角度の階段しかない建物もあり、市は違法建築に当たるかどうか調べている。
捜査関係者や宿泊客らによると、火元は吉田屋1階の玄関付近で、出火から20分ほどの短時間で建物全体に燃え広がったと推測される。
吹き抜け構造になっていた吉田屋の2、3階部分が大きな煙突のような役割をし、炎や煙が1階から上階へ向かう通り道となって火が一気に広がった可能性があるという。
市建築指導課によると、吉田屋は1960(昭和35)年に木造2階建てとして建築確認された後、87年に3階部分を増築。増築は市に無届けで行われた可能性が高く、建築基準法上は宿泊施設を3階建てとする場合、鉄筋コンクリート造りなどの耐火建築物にする必要があったが、木造のまま30年近くにわたり見逃されていた。