クレムリンでの閣議で、にらみを利かせるウラジーミル・プーチン大統領。現在、政権内にはプーチン氏にまともに意見できる人物はおらず、その強権体質はブレーキを失ったかのようだ=2015年5月20日、ロシア・首都モスクワ(ロイター)【拡大】
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは新法について、「定義の概念が曖昧(あいまい)で、当局が恣意的に反対勢力を締めつけることが可能になる。国際的な市民運動を弾圧し、政府に批判的な人権活動の独立性と自由を弱体化させる狙いがあるのは明白だ」とする声明を出した。米国務省のマリー・ハーフ副報道官も23日の記者会見で「新法成立はロシアでは独立した自由な言論がいっそう弾圧され、ロシア政府が国民を国際社会から孤立させる企みを加速させている証左である」と指弾した。
ウクライナで過敏に
プーチン政権は、ウクライナ情勢をめぐってはロシアに正義があるという姿勢から一歩も引かない構えだ。そして神経過敏なまでに恐れているのが、国内の意思統一を乱す可能性がある情報の流入であり、こうした情報はロシアで活動する外国のNGOなどによってもたらされると考えている。
すでにロシアでは2012年11月、外国から資金援助を受けているロシア人が運営するNGOに対して、事実上スパイを意味する「外国の代理人」として当局へ登録することと、年4回の活動報告を義務付けた「外国エージェント法」が施行されている。この法律の下では、当該組織は出版物やウェブサイトにも「外国の代理人」であることを明記しなければならず、ロシアのNGOは活動の縮小を余儀なくされた。