スタジアム本体の解体作業が完了した国立競技場=2015年5月12日、東京都新宿区(共同通信社ヘリから撮影)【拡大】
≪「巨大で景観破壊」の声も≫
新国立競技場は、これまでも入札の不手際で解体工事の着工が遅れたり、景観データの誤りで周囲の反発を招いたりするなど迷走を続けてきた。
文部科学省によると、本体工事も今年に入り設計業者から「工期内に間に合わない」と連絡があった。大詰めの議論の中で初めて明らかになったといい、見通しの甘さが露呈した。
解体工事の入札の不手際は昨年9月、内閣府の政府調達苦情検討委員会の指摘で発覚。工事を発注したJSCの職員が、入札額が分かる工事費内訳書を事前に開封したとして、やり直しを求められた。
開封は通常の手続きでは認められず、委員会は「公平性に重大な疑義がある」と指摘。国会では野党から「官製談合の疑い」とまで指摘を受けた。JSCは入札をやり直したが、本格的な解体が始まったのは今年3月と当初計画より大幅にずれ込んだ。
また、昨年6月には基本設計で示した競技場の高さに関するデータに誤りが見つかり、JSCが発表資料を訂正。新国立競技場は「巨大で景観を破壊する」と反対の声が根強く、「計画を乱暴に進めようとする姿勢の表れ」と批判の声を強める要因にもなった。(SANKEI EXPRESS)