日本女性の体形美しく
ポーランド生まれのドイツ人であるヨーガンさんは、テキスタイルの仕事を得てパリへ移住した後、ファッションの仕事に従事してニューヨークへ渡る。仕事で66年に来日した際、日本のデザインの意匠と色彩にひかれて71年に再来日、72年に「ヨーガンレール」を立ち上げた。
74年に東京・原宿、77年に東京・渋谷に出店。欧米ブランドが席巻する高度成長期に、日本女性の体形を美しくみせる服作りを心がけた。女性が社会に出て働くことが当たり前になりつつあった80年代以降に支持を広げ、女優の鶴田真由さんなど著名人のファンも多い。流行を追うファッションとは一線を画す面もあり、「以前に買った品と現在の品を自然に組み合わせられます」と武さん。
漂着ごみでオブジェ
背景にはヨーガンさん自身が抱いていた大量生産、大量消費社会に対する懐疑的な思いがある。時間を作ってはインドネシア、中国などアジアや日本の各地に飛び、地方に根付く手仕事を商品開発に取り入れた。