国防白書を手に説明する中国国防省の楊宇軍報道官=2015年5月26日、中国・首都北京市(AP)【拡大】
≪対米強硬明確 南シナ海衝突の危機≫
中国の習近平指導部は26日に発表した国防白書で、海上での軍事衝突に備える方針を示し、南シナ海での岩礁埋め立てを牽制する米国への対決姿勢を明確にした。「弱腰外交」との批判を回避したいオバマ米政権も譲歩しない構え。衝突の危険が現実味を帯びる中、「最悪のシナリオ」を回避する即効策は見当たらず、米国は対応に苦慮している。
「大国」意識で強行
「中国各地で毎日行われている建設工事と何ら変わらない」。中国国防省の楊宇軍報道官は26日の記者会見で、南沙(英語名スプラトリー)諸島の岩礁埋め立てについて中国の主権の範囲内だとあらためて正当化した。
中国は「九段線」と呼ばれる独自の境界線を設定して南シナ海の大半の管轄権を主張。強気を貫く背景には、世界第2の経済力を背景にした「大国」意識がある。習指導部は「アジアの安全はアジア人民が守る」と公言し、経済と安全保障の一体化を目指す「アジア運命共同体」の建設を提唱。領土問題などで中国の「核心的利益」を尊重することが前提で、米主導の秩序に対抗する姿勢を強めている。