藤巻亮太が13日にミニアルバム『旅立ちの日』をリリースした。2012年2月にレミオロメンのバンド活動を休止して以降、自分自身の本来のあるべき姿を模索していくうえで、どうしても過去のイメージを払拭したいという気持ちが作用しているように感じていた。ソロ1枚目のアルバム『オオカミ青年』は、衝動、あらがい、そういった言葉が想起させられるような曲で、日本のポップシーンの真ん中でさまざまな人の気持ちを受け止めて曲に昇華していたレミオロメンとは違い、自らの衝動に従うこと、その衝動を見つけ表現すること、その根源となる自分自身を模索してゆくことなどが、作品を通して、そして直接話を聞かせてもらうたびに印象強く心をとらえた。
しかし昨年末に会った時には「ぐるっと一周したような感覚があった」と語っていて、新作を聴いてみるとその時の言葉が思い出された。私が作品を聴いて感じたイメージは、悩み苦しんだトンネルを抜けたすがすがしい気持ち、新しい気持ちで次の一歩を踏み出せるような気持ちであった。