それでも、犬たちは尻尾を振って寄ってきてくれる。もちろん、深く傷つきトラウマを抱えていたり、重い病気だったりで、カフェには出てこられない子もたくさんいる。さまざまな背景をもつ彼らを抱きしめながら、人間の傲慢さを思い、複雑な気持ちになる。
子供の頃からずっと犬が飼いたかった。ようやく、飼える環境が整ったとき、犬を迎える手段として、このカフェを知ることができたのは幸運だった。人間のスタッフに初めて飼うことを告げ、家族構成や生活パターンも話し、縁ある犬を待った。そして先日、チワワを迎えいれることができた。愛くるしい表情に癒やされることもあれば、ときに小さい怪獣のように暴れる姿に途方に暮れることもある。それでも、命の尊さを教えてくれる彼との日々が楽しくて仕方がない。
犬を飼いたいと思う人々が、こんな選択肢があることを心の片隅にでも覚えていたら、人間とペットが共に幸せに暮らせる社会の実現も近いかもしれない。(佐々木詩/SANKEI EXPRESS)