円安が進み、1ドル=124円台を表示するボード。日経平均株価の終値は10営業日連騰となり、一時は2万600円を超えた=2015年5月28日、東京都港区東新橋の外為どっとコム(福島範和撮影)【拡大】
≪食品値上げに家計悲鳴 消費へ悪影響懸念≫
約12年半ぶりの水準に進んだ円安は自動車など輸出企業に好業績をもたらすが、家計は食料品の値上げに悲鳴を上げる。輸入に頼る原材料の価格高騰が企業経営には一段の重荷となっており、行き過ぎた円安が景気回復を鈍らせるとの懸念も強まってきた。
輸入量減、続く品薄
「グレープフルーツが好きだが、高いのでなるべく買わないようにしている」。東京都練馬区のスーパー「アキダイ関町店」に買い物に来た女性(73)は顔を曇らせた。
輸入物の果物や野菜は値上がりが激しい。このスーパーでは例年、米国産グレープフルーツは4個入りで税別680円だが、ことし3月からは3個で880円に高騰している。1袋100円のニュージーランド産タマネギは、4個入りから3個入りに減らした。