太陽エネルギーが生み出す電力だけで世界一周飛行に挑戦している1人乗りのプロペラ機「ソーラー・インパルス2」が31日午前2時40分、全行程で最難関とされる太平洋横断に向け、中国の南京を離陸した。米ハワイまで8175キロの距離を約120時間かけ、5昼夜ぶっ通しで飛び続ける計画だ。太平洋上の天候不順から2カ月間にわたって決行のタイミングを待ってきただけに、操縦席に座るスイス人操縦士のアンドレ・ボルシュベルグさん(62)は離陸前、「正しいルートをみつけ、やり遂げる自信が私にはあるんだ」と笑顔をみせた。
台風を避けて
ソーラー・インパルス2はスイスの団体「ソーラー・インパルス・ベンチャー」などが開発した。両翼の長さが72メートル、重さ2.3トンで、翼を覆う約1万7000枚の太陽電池で得た電力で4つのプロペラを回し、夜間でもバッテリーに蓄積した電力で飛行ができる。故障しない限り燃料を補給しないで飛び続けられる画期的な飛行機だ。
世界一周の旅は、飛行経路を12区間にわけ、飛行日数25日間を予定している。3月9日にアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビを出発し、オマーン、インド、ミャンマーを経由して3月31日に南京入りした。そこで立ちはだかったのが、今回の冒険で最難関とされる太平洋横断だ。プロペラ機のため飛行速度は時速140キロにとどまり、ハワイまでは120時間の飛行が必要になる。最大の懸案事項は太平洋に現れては消える台風の存在だった。