シドニー五輪の200メートル背泳ぎ準決勝で2位のタイムを出し決勝進出を決め、スタンドに手を振る萩原智子さん。五輪を目指すなか、いろいろな人の出会いが支えになった=2000年9月21日、オーストラリア・シドニー(川村寧撮影)【拡大】
出会いが刺激に
ひとつのスポーツに没頭すると、知らず知らずのうちに行動範囲が狭くなってしまうことが多い。私もオリンピック出場を目指している中で、生活範囲が自宅、学校、プールだけになっていた時期があった。そういったときは当然、毎日接する人もほとんど変わらない状態である。しかし困ったことも不便なこともなく、自分自身の視野が狭くなっていることにすら気がつかなかった。そんな時、私の記録が伸び悩み、4年間もの長い大スランプに陥ったのだ。苦しい時間は、孤独を感じる時間でもあった。
そんな私を支えてくれたのは、積極的なあいさつで知り合った指導者や仲間、友人たちの存在だった。これまで学校で話したことのなかった同級生との会話や、インターハイのボランティア学生との出会い、他競技の指導者との交流、競泳以外の練習への参加、友人のすすめてくれた本、それまで読まなかった新聞…。さまざまな分野で頑張っている人たちの存在の影響から、ほんの少しだけでも視野を広げることができたことで、気がつけたことがたくさんあった。どんな小さな出会いでも、出会いは自分に刺激を与えてくれた。振り返れば出会いは自分自身と向き合う時間でもあり、自身を成長させるチャンスでもあった。