「瞬間」切り取る表現法
四隅が丸く、やや正方形に近い、独特なフレームで映像を見せる意図は何だろう。「編集の際、トリミングされていない未加工の状態の映像を見たとき、監督は『それこそが自分の望む表現方法だ』と、インスピレーションが湧いたのだそうです」。監督の表現手法は、モーテンセンに言わせれば「ある瞬間に内在する本質的な真実を探り出し、それを静かに切り取り、蒸留する方法を模索していくスタイル」だという。純度の高い真実を紡ぎ出し、優雅、かつ、独創的に伝えるためにはフレームすら変えなければならなかったのだ。
本作でモーテンセンは自ら作った曲を披露した。「昔から僕はピアノを弾くことが好きでした。実は楽譜は読めないのですが、ピアノで作曲すること自体が好きなんですね。最近関わった映画では、僕はギター演奏を少しだけ学びました。でも、僕としてはピアノを演奏して、ピアノで作曲することが一番合っているかなと思っています」。6月13日から東京・ユーロスペース、7月18日から大阪・テアトル梅田ほかで全国順次公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)