「ジェネレーションX」(X世代)の代表的政治家であるマルコ・ルビオ上院議員(中央)。家族を伴って行った大統領選への出馬表明で、「この戦いは『世代の選択』になる」と公言した=2015年4月13日、米フロリダ州マイアミ(AP)【拡大】
兄より父の「遺産」
ただ、不人気な大統領のときに18歳を迎えた世代は、他党に投票する傾向が強いということも分かっている。ニクソン世代は5ポイント、ブッシュ前大統領世代は19ポイント、それぞれオバマ氏により多く投票していた。
そのため、ジェブ・ブッシュ氏は、イラク戦争の長期化により支持を失った兄ではなく父の政治的な「遺産」をクローズアップしようとしている。
今月、ベルリンで演説したブッシュ氏は、1989年11月の「ベルリンの壁」崩壊に果たした父の役割を強調し、「ドイツは統一され、自由になった」と述べた。だが、間違った情報をもとにイラク戦争に巻き込んだとして、欧州では不人気な兄には一言も触れなかった。
共和党では、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」掃討作戦でイラクやシリアへの介入を強化するかをめぐり議論が分かれている。
東西冷戦を終わらせたレーガン、父ブッシュ両元大統領を原体験とするX世代が、共和党や米国をどう率いようとするかに注目したい。(ワシントン支局 加納宏幸(かのう・ひろゆき)/SANKEI EXPRESS)