これがベトナム戦争であり、1975年4月30日にサイゴンが陥落し幕を閉じた。民族統一の志を胸に戦ったベトナム人にとって願いがかなった記念日となり、40周年を迎えた今年は各地で祝典が催された。
蒸し暑いホームから住民に交じりバックパックを背負う欧米人らがわれ先にと車両へと乗り込む。一晩かけてハノイへと向かうが、途中にはヒエンルオン橋がある。統一鉄道と並ぶもうひとつの平和の象徴だ。車掌が出発の合図を送った。
≪元「渡れずの橋」 過去の色に塗り分け≫
ジュネーブ協定でベトナムが南北に分割された際、国民に認められたのは60日間で北か南かを選ぶ二者択一だったという。目の前には暫定軍事境界線だった北緯17度線上を流れるベンハイ川に架かるヒエンルオン橋。往来が許されなかった橋である。
最前線だった名残で両端に監視塔が残る。3年ほど前には橋の北側半分を南ベトナム解放民族戦線の旗を模して青色に、南側半分をベトナム共和国の黄色に塗り替えた。北側にフラッグタワー、南側に統一の希望の塔が建つ。